フィアットのアイコン的存在、500(チンクエチェント)。
そのEV版となる500eに試乗しました。
個人的にはガソリンモデルのツインエアー500Cが気になっていますが、同じデザインのBEVの乗り味がどうなのか気になるところです。
グレード:POP
全長3,630×全幅1,685×全高1,530㎜
車両重量:1,320kg
乗車定員:4名
モーター:43.0KW 118ps/4000rpm 220Nm/2000rpm
バッテリー容量:42KWh
充電走行距離:335km(WLTCモード)
駆動方式:FF
価格:4,730,000円(リースのみ)
内外装チェック
500独特の可愛らしいフォルムを継承し、さらにモダナイズされた感じです。
ガソリンモデルの500と同じボディサイズかと思いきや、別モノです。
以下のとおり、500eのボディサイズは、ガソリンモデルよりも若干大きくなっています。
重量については42kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載するため、300kg重くなっています。
2代目のNUOVA 500についてはRRですし、サイズ感も別モノですね。
〔500e〕
・全長3,630×全幅1,685×全高1,530㎜
・ホイールベース2,320mm
・車両重量1,320~1,360kg
〔500〕 3代目
・全長3,570×全幅1,625×全高1,515㎜
・ホイールベース2,300mm
・車両重量990~1,040kg
〔NUOVA 500〕 2代目
・全長2,970×全幅1,320×全高1,320㎜
・ホイールベース1,840mm
・車両重量520kg
試乗車はこちら。
受注生産のPOPというベースグレード。それでも\4,500,000します。
ボディカラーのオーシャングリーンは別途費用\55,000。
ボディサイズは若干大きくなっただけですが、ボリューム感があります。
POPは16インチアルミに195/55R16タイヤ。
上位グレードのICON、OPENは17インチに205/45R17。
ちなみにリアブレーキはドラム式。
このドアハンドル、どうなっているの!?と思ったら内側にラッチがありました。
POPはファブリックシート。
上位グレードだとエコレザーシートになり、シートヒーターが付きます。
それ以外の装備差がかなりあります。
BEVとしての動力部分は同じですが、ADAS系はほぼありませんし、LEDではなく、ハロゲンヘッドライトだったりと、コスパから考えるとPOPはオススメできません。
シートの座り心地は良いですね。
リアシートに大人が座れないことはないですが、居住性は良くないです。
小さいボディなのでここは仕方ないですね。
モダンで機能的なステアリングとメーター。
メーターディスプレイは切り替えて表示可能。
ただ、このグレードだからなのか、大した内容は表示されませんでした。
POPはボディ同色のダッシュボード。
ICON以上はレザーを編み込んだテクスチャになります。
インテリアもオリジナリティがあります。
10.25インチのセンターディスプレイ。
ドライブセレクターはボタン式。
EVっぽいですが、味気ない感じもします。
トレイにはトリノの街並み。
心憎い演出ですね。
ドアを開ける際はレバーではなく、このボタンを押します。
レクサスなどで採用されている方式ですね。
電気系統がダメになったときに空けるためのハンドルもその下に用意されています。
ドアポケット内にはNueva500のイラストがあります。
遊び心のある演出がされています。
ヘッドコンソール。
バニティミラーは助手席側しかありません。左ハンドル仕様から変えていないからとか。
トランク容量は180L?
試乗車には荷物が満載でしたが、案外たくさん積めるかも、ですね。
いざ試乗へ
まずはノーマルモードで走ります。
クリープがある普通のATなので、回生ブレーキも効きません。
コンパクトカーですが、バッテリーを積んでいるため、どっしりした乗り味で、乗り心地が良いです。
営業担当の女性曰く、研修で他メーカーのEVと比較しても乗り心地が良かったとのこと。
全長と全幅がそれぞれ60mm大きくなっていますので、室内空間にも余裕がある感じがします。
センターコンソールにあるスイッチ群。
左から、「eモードの切替」、「電動パーキングブレーキ」、「ボリュームスイッチ」。
電動パーキングはアクセルに連動したリリースやホールド機能はなし。
eモードはノーマルの他、レンジとシェルパがあります。
レンジは回生ブレーキが効くモードで、いわゆる1ペダル走行が可能。
シェルパは長距離走行を目指すモードで、省エネに徹し、エアコンも自動的に切れます。
峠道も走ってみました。
118ps/4,000rpm、220Nm/2,000rpmという割と控えめなパワー、トルクですが、十分パワフルに走ってくれます。
BEVだとバッテリーがある分、ボディサイズの割にどっしりしていることと、ボディもしっかりしているので楽しく走れます。
下りはレンジモードに切り替えて走りましたが、回生ブレーキで充電され、ワンペダル走行が可能でした。
うまく調整すれば完全停止も可能ですが、最後の止まる瞬間がカックンになりやすいのでコツが必要です。
最後にADAS関連を体感したかったのですが、このグレードには先進装備は付いていません。
オートクルーズは付いていますが、アダプティブではないので定速走行しかできません。
500e、乗り心地も良く、質感も高く、魅力的なBEVだと思いました。
コンパクトではありますが、ガソリンモデルよりもサイズアップしたおかげで、実用的なサイズ感になっていると思います。
問題は金額面とリースという購入形態でしょうか。
金額はともかくとしてリース契約については、年間走行距離の上限がある等、条件があるので、そこがハードルになる方が多いようです。
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